『ユニコーン企業のひみつ』邦題解説

『ユニコーン企業のひみつ』邦題解説
(当初のこの記事の構想は、過去の訳書の邦題をふりかえってみようと思ったのだけれど、書きはじめたら収拾がつかなくなってきたので小出しにしていこうと思う)
前口上
2021年4月26日にJonathan Rasmussonの最新作『Competing with Unicorns: How the World’s Best Companies Ship Software and Work Differently』の訳書を『ユニコーン企業のひみつ――Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方』としてオライリー・ジャパンから刊行する。買って。
2020年10月にアスキードワンゴから刊行されたRobert C.Martin『Clean Agile 基本に立ち戻れ』で角さんのお手伝いをさせてもえたことで、20年のアジャイルソフトウェア開発まわりの活動について、ひと区切りできた気持ちになった(本文はだいたい角さんが訳したんだけど、レビューで全体を何周かしながら読みやすさに貢献できるよう頑張った)。「アジャイルであることっていうのは、まあ、つまりそうだわな」というのはスッキリしてる。買って。
Jonathanは『ユニコーン企業のひみつ』のテーマは「アジャイルの先へと踏み出す『とりあえ ず』次のステップ」だと「日本の読者の皆さんへ」で語っている。私も次はどんなステップを踏むのがいいのか、考えてみよう…といっても、新ネタを編み出すのも一朝一夕にかなうものではないなあ…ということで、ばらくはJonathanの新刊出版にかこつけて、自分の仕事をふりかえってみたい。
『ユニコーン企業のひみつ――Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方』
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119465/
2021.04。最新刊!! 買ってくれ!! 島田さんと共訳。
原題: "Competing with Unicorns -- How the World's Best Companies Ship Software and Work Differently"
メインタイトルは「ユニコーンと競う」。サブタイトルは「世界最高の企業はどうやってソフトウェアを出荷しているか、働き方はどう違っているか」みたいな感じ。
書籍紹介文
カバー裏に載っているやつ。オンライン書店の書誌情報での書籍紹介にも使われているもの。
大規模な成功を収めているテック企業(ユニコーン企業)は、スタートアップで機能していたテクニックをエンタープライズ企業レベルにまでスケールさせる方法を見いだし、日々実践しています。Amazon、Facebook、Googleなどは、何万人もの従業員を抱えているにもかかわらず、スタートアップのように働いています。本書はSpotifyでアジャイルコーチやエンジニアの経験を持つ著者がユニコーン企業のソフトウェアづくりと働き方を解説します。
ミッションによってチームに目的を持たせ、スクワッドに権限を与え、信頼する。カンパニーベットを通じて大規模な取り組みを調整する。このような働き方とそれを実現するための文化のあり方を解説し、複数チームが連携しながら質の高いプロダクトを早くリリースし、迅速に技術革新を行うための方法を学びます。
プロダクトのデリバリーにフォーカスする世界有数のテック企業の事例を紹介する本書は、デリバリープロセスやプロダクト組織自体を改善したいエンジニアやマネージャー、経営リーダー必携の一冊です。
編集の高さんや島田さん、レビューワー(具体的にはimaz)で、GitHub Issues上でやりとりしながら作った。当初の文案が長すぎて文字列長制限をオーバーしてしまったので、文面ゴルフをして文字数を縮めたが、カバー裏に印刷すると判型に比して長いのでなんか圧がすごい。
比較すると、余白を許さないパーソンっぽくなっていてやっぱり圧が高く、早口のオタクっぽい印象がある…。関係ないけど、O'REILLY、オーム社、Pragmatic BookShelfというロゴの並びが「三冠王」みたいな雰囲気でうれしい。
オビ表
- スタートアップ企業のような働き方を、エンタープライズ企業のようにスケールさせる!
- 『アジャイルサムライ』の著者が経験したテック企業の組織文化
「『アジャイルサムライ』の著者」っていうのはレーベルが違うから遠慮気味に補足した。Twitterでの反応を見ていると、Jonathanが『アジャイルサムライ』の著者だということに気づいていない反応も見られたので、書いておいてよかったと思う。
オビ裏は各章の目次。本書は目次が雄弁なので、必要十分な情報を提供できていると思う。
記憶が新しいから書きすぎてしまった。